和の心 其の一

昔、親方に叱られたことがある。

門に竹ぼうきを穂を上にして立てかけてあったのが原因だ。

そもそもこれは

「忙しいから来ないで!」

暗黙に言っていることだそうだ。植木屋が施主様の家にお邪魔して

勝手にそんな事をしていたら叱られて然りだ。

でも、気を付けていないとしがちな行為である。

お茶の作法でもやはり似たことがあったように思う。

飛び石にシュロ縄で化粧した石をさりげなく置いておく。

「ここから先は入らないで!」という意味だ。

それは竹の物であったりもする。

お茶に招かれ躙口から入る。最後の人は「トン!」と音をたてて閉める。

主人への合図だ。

無言の合図なる物が日本にはたくさんあると思う。特にお茶の世界で多く見られる。

それが和の心で日本人の美なるところだろう。わかりにくいかも知れない。

はっきり書いたり、言ったりしたら済むことかも知れない。

でも人を気遣う、思いやるそしておもてなす文化がある日本人だから

こそだと思う。

私たちはこの美しい心粋をもっと学ばなくてはいけないと私は思う。

黒竹の竹ぼうき

風人園で使っている黒竹の竹ぼうきです。

昔はどこのあらもの屋さんでも普通に使いやすい竹ぼうきが売っていたものです。

ですが、近頃ホームセンターなどで売っている竹ぼうきはお世辞にも使いやすいとは

言えません。風人園的にはとても使えたシロモノではございません。

この黒竹の竹ぼうきは軽くて、丁度良い大きさで、柄も細い目で、

一度使うと他の物なんて使えません。

値段は張りますが、クルクルと回しながら片減りしないように使いますと

大変長く使用出来ます。

ホームセンターの竹ぼうきと見比べて下さい。

穂は小さめです。

手が疲れない太さの柄です。

今回、風人園の資材販売に加わりましたので、一度お試しくださいませ。

掃除道具

暑さが和らいだと思ったら、今度は寒い寒いと言わなくてはなりません。

今日は寒かったですね。

これから、お正月に向けての風人園メインの仕事はやはり”お庭のお手入れ”

になります。少し油断したのか、少し遅れています。新しく伺わなくてはならない

お宅もありますから大変です。でも忙しくさせて頂くことに感謝感謝です。

お庭のお手入れではお掃除が大事になります。以前の記事でも書かせていただきました。

我々はプロですから、掃除ももちろんプロの仕事をしなくてはなりません。

より早くより美しくです。そのためには道具も吟味したものを使用します。

風人園の掃除の三種神器です。

手ぼうきと手熊手と手みです。

手ぼうきは細かい砂利の上の葉っぱも葉っぱだけを掃き取らなくてはなりませんから、

孟宗竹のやわらかい穂で出来たものでなくてはなりません。

手熊手は先がすり減ったものが使いやすいので、新品のものはわざと先を短く切り取って

しまいます。この手熊手は 京都で使っていたものですから、15年以上前のものです。

この他に竹の大ぼうきがあります。最近は本当に良い大ぼうきが売っていないですね。

良い竹ぼうきを欲しい方々の為に風人園で販売しようと思いますので、しばらくお待ち下さいませ。

とりあえず、手ぼうきは写真の物を予定しています。

昔はこの三種の神器でどんな広い庭も掃きあげておりましたが、

近年はそこまで時間をかけられないので、兵器のし使用がもっぱらです。

エンジン式のブロワーです。

三代目です。

本当は手ぼうきで掃除したいですけれどね。

竹ぼうき!?

今日は何とか天気がもって一日仕事をすることができました。

よかった~~。段取りの悪い日でしたけど...。

秋に地元国栖の里観光協会が主催で『国栖の里歴史ウォ-ク”壬申の乱”』というイベント

を開催しました。

その時の一つに”国栖の里里灯り”という展示がありました。里灯りというのは、

10年間、夏に開催しておりました、”吉野山灯りコンテスト”の跡継ぎといった

ところでしょうか。今年あたりから本格的に開催する予定をしております。

秋には僕も製作して、展示していただきました。現在は自宅に置いてあったのですが、

観光協会にもってきてくれというなので、その前にアップさせていただきます。

竹穂垣で使った竹穂の残りでたいまつの灯りをつくりました。

しかし、当日は、「竹ぼうきを切ったん?」と見学のおばさんに言われてかなり凹みました。

やっぱり竹ぼうきですかね~(笑)

一応、電気も点くのですよ。暗いけど(;;)

今度はどんなの作ろうかな~。

掃除のススメ

お庭のお手入れでで一番大事な仕事というと掃除でしょう。

修行も掃除から始まります。『手ぼうき』と呼んでいる小さな竹ぼうきではきあげます。

掃除をしながら、石組みや据え具合、下草の位置など『庭』を覚えます。

掃除が出来ない職人は良い職人とは言えないでしょう。

それほど掃除というのは大事なものなのです。

いくら私たちが庭木を綺麗に手入れしても、掃除が出来ていないと、庭としての美しさは

半減してしまいます。

そして庭を維持していく中で一番労力のかかる仕事でもあります。

私たちがお客様のお庭にお手入れにいくのは、多いところでも年3回くらいです。

ですから、1年の大半はお客様にしていただかなければなりません。

枯れ葉の取りや雑草取りと本当に大変ですが、是非続けて頂きたいと思います。

庭が美しくなるのはもちろんのことですし、病気や害虫の早期発見といった、

庭木の状態の変化が少しでも早くわかります。

木々からマイナスイオンをたっぷり貰って、快適な庭生活を送って頂くことを

風人園はのぞんでおります。

こちらの写真はいつも大変お世話になっているお寺ですが、何時伺ってもチリ一つ

落ちてません。いつも美しくしていただいていて、職人冥利に尽きると言うものです。