これからの職人の生き方

先日はいつもお世話になっているお寺様の筧や杓架を交換してきました。

ちょうど炉開きの時期でもありますが、たまたまこちらのお寺では五重相伝

が行われ、それに合わせてお庭を綺麗にしました。やはり青竹に変えると

ピシッとお庭が締まりますね。

ところで現在はお正月に向けてのお手入れの毎日です。

昨年は私を含めて3人で現場を回っていましたが、今年は二人が退職してしまった

ものだから、ほとんど一人で回っているような状態です。ですから全くと言って

いいほど進まないです。庭師仲間もほぼ全員一杯の状態で応援とかも期待出来ないですし。

本当に職人不足を感じています。

どんな職種の職人であってもそこそこになるには数年を要します。一生修行と言いますが、

ホントその通りで私たち職人はずっと良い仕事を目指して研鑽していくのです。

だから昨日今日入った職人などは全く使えない訳で、数年かけて仕事が出来るように

育てていくのです。親方も身を削り、子方も苦労をして一人前になっていきます。

職人である以上は独立して独り立ちするのが夢で、遅かれ早かれ巣立っていきます。

それはそれで喜ばしいことではありますが、たちまち親方は仕事が立ち行かなくなってします。

うまく入れ代わりが出来ると良いのですが、そうでない場合は大変苦労するわけですね。

人が増え、仕事も増える。そして人が辞めて、せっかくの仕事を減らしてしまう。

また一からです。そんなことを繰り返すと職人の仕事の今の形についてとても疑問に

感じてしまいます。人がいないと出来ない仕事だけど職人のなり手が減っている。

親方の器にもよるのでしょうが人の縁も人を繋げておくのもなかなか難しいものです。

一人でできる程度の仕事量で抑えて日当も高く設定してうまく立ち回るのか、このまま

また人を入れ今度は長く働いてもらえるように努力するのかどちらが良いのかなっと

悩むところです。どちらにしても今までと同じようなことではいけないのでしょうね。

もう一回頑張って育ててみようかな

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